【短距離・壹岐いちこ選手独占インタビュー】「陸上を楽しく、長く続けて欲しい」| 充実した福井生活と、受けた声援。子どもたちに伝えたい想いとは。

京都橘高校での大活躍、そして立命館大学での躍進から世界リレーにも出場し、彼女は一躍注目を集めた。

一見華々しい陸上人生のようで、大学後半は足踏みをしていた。彼女も「実は全国大会で優勝した経験は、ほとんどない」と苦笑い。

それでも着実に全国大会で決勝に残り続け、福井県のユティック陸上競技部へと次のステージを移した。

そんないちこ選手が、福井県での活動を通じてもらった声援と、陸上を続ける子供たちに伝えたい想いとは何か。

そして陸上選手としてできる地域貢献は何か、明らかにしていく。

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世界との距離が、少し縮まった一年だった

ーー今年1年の成績に関して、率直な感想は?

いちこ選手 調子の波が小さく、コンスタントに良いタイムを出せた1年でした。

社会人になってからの目標としては、まずは自己ベスト(100m 11秒66)の更新。
そして、日本選手権決勝に残ることを目標に取り組んでいます。

今年はどちらも達成できなかったものの、11秒7台後半や11秒8台前半など、自己ベスト+0.1〜0.2秒以内の成績をコンスタントに残せました。

ここ数年は調子の波が激しかったので、ケガもなく高いアベレージを残せたことは、一つ大きな収穫でした。

今は他人と比べるより、自己ベストを更新し続けることに焦点を当てています。
今の自己ベストがコンスタントに出せるレベルまで上げられれば、日本選手権決勝や世界大会への出場も、見えると思っています。

福井県での暮らしに不便はない

ーー初めての一人暮らし。慣れない中で大変でしたか?

いちこ選手 特に「大変だな」と感じる瞬間はありませんでした。

入部した年がコロナ禍で、準備時間がたくさんあったからです。

偶然にも自由時間をたくさん用意できたので、一人暮らしにはすんなり馴染めました。

ーー福井県での地方暮らし。特に不便は感じませんでしたか?

いちこ選手 特に不便は感じていません。

元々実家も滋賀県なので、地方暮らしの感覚には慣れていました。
住んでいる場所が生活に不便ないエリアなので、特に苦労はありませんね。

ただ、雪には慣れていなかったので、雪かきには大苦戦しました。最初は要領の悪い雪かきをしてしまい、時間がかかっていました。

ーー福井県では、休日にどんなリフレッシュをしていますか?

いちこ選手 引っ越した当初は、福井の街を散歩していました。

今は家で飼ってる猫2匹と遊ぶ時間が、何よりリフレッシュにつながっています(笑)。

シーズン中は家で過ごすことが多いですが、オフは実家で友達と遊んだり、学生時代の先輩や後輩と遊んでます。

福井県は「非常に良い設備環境」

ーー地方(福井県)でのトレーニング。設備面で不便を感じることはないですか?

いちこ選手 不便は全くないです。非常に良い環境を提供していただいています。

今は福井県営陸上競技場で練習していて、同競技場には全天候型の室内練習場があります。

学生時代は悪天候の場合、ウェイトトレーニング中心の練習しかできませんでした。
悪天候でもトラックで練習できることは、非常にありがたいです。

福井県は雪が多く降る地域なので、練習しづらいと思われがち
実は室内練習場があるので、問題ないんですよ。

ーーユティック陸上競技部を選んだ理由は?

いちこ選手 大学のコーチから「ユティックが女子選手を探しているらしいよ」と教えていただいたことがきっかけです。

実際に話を聞いた結果、トントン拍子で入部が決まりました。 

入部の決め手は「リレーができること」「施設の充実度」「一人で陸上に集中できること」の3つ。

私は実家に固執していなかったので、福井県に引っ越すことは問題ありませんでした。
入部はすんなり決まりましたね。

「陸上の楽しさ」を子どもに伝えたい

ーー陸上教室について。参加者とどんなコミュニケーションやアドバイスをしていますか?

いちこ選手 メインは小学生なので、まず大前提として「運動や陸上の楽しさ」を伝えています。

福井県の子どもたちは素直な子が多く、人数は少ないものの陸上に対して熱量が高い子が多い印象です。


「楽しく長く陸上を続けて欲しいな」という想いで、子どもと関わっています。

福井県のファンからの熱い応援

ーー福井県のファンから応援を感じる場面はありますか?

いちこ選手 陸上教室に通っているお子さんや親御さんから、たくさん応援いただいています。

子供の試合の引率にも参加しているので、元々交流機会が多く、私のことを知ってくれていました。

試合の結果は頻繁に見てくれていて、いつも気さくに話しかけてくれます。

ーーユティックの『サポーターズクラブ』にも福井県の方が多く参加してくれているとか。

いちこ選手 福井県の方に多く加入いただいてると聞いています。

年会費は選手たちの活動費に当てているので、日々「ありがたいな」と感じています。

SNSで発信する目的、福井県への恩返し

引用:Safari『スプリンター【壹岐いちこ】が、紺ブレ合わせで大人のデニムスタイルに挑戦!』

ーーSNSを通じて発信する目的や伝えたいことは?

いちこ選手 「陸上の実業団チームが福井県にもあること」「魅力的な選手がたくさんいること」を伝えたいです。

陸上の実業団チームは、基本的に大企業や有名企業が多いです。そうした企業は元々の認知度が高いので、自然と支援されます。

私たちユティックは、どうしても知名度で劣ります。

でも、ユティックにはたくさん魅力的な選手がいる。だから、私の発信を通じて少しでも「福井県にはユティックがある」ことを広げたい。

その手助けがしたいと思って、SNS活動をしています。

ーーいちこ選手の発信がきっかけで、サポーターズクラブ入会者が増えているそうですね。

いちこ選手 私の力は微々たるものですけどね(笑)。

YouTubeでも応援のコメントがたくさん来るので、本当にありがたいです。

記録がよくなかった試合後も「こんなに暑い中走り切っただけでもすごいよ」と、褒めてくれるんです。

落ち込んだ時も、励ましのコメントで再び立ち上がれます。

福井県の選手、そして福井県に与えたい影響

ーー福井県や地元滋賀県の選手に対して、どんなことを伝えたいですか?

いちこ選手 「決勝に残るだけでも、楽しく選手生活を続けられるんだよ」ということを、伝えたいです。

大前提、もちろん1位を目指すことは大切です。私も1位を目標に頑張っています。
ただ、私は全国大会で優勝した経験が多くありません。

個人競技の陸上は、常に上を見ながら練習を続けることが、本当に辛く大変です。

子どもたちには「大人になっても楽しんで陸上を続けて欲しい」
1位だけに固執する以外の楽しみ方があることを、伝えたいですね。

私自身、地道に決勝に残り続けた結果、今まで楽しく競技を続けられています。

ーーユティックでの活動を通じ、福井県にどんな影響を与えたいですか?

いちこ選手 陸上の実業団チームは福井県ではユティックだけ。

なので「陸上でこんなに頑張っている選手がいるんだ」と、福井県や全国の人に知ってもらえたら嬉しいですね。

陸上に詳しくない人でも、ユティックの活動を通じて陸上に興味を持ってもらえたら本望です。

福井県にはグランプリシリーズにも入っている、大きな大会*が開催されています。

私たちの活躍を通じて、ぜひ福井県に興味を持って足を運んでくれる人が増えてほしいですね。

Athlete Night Games in FUKUI

スプリンター「壹岐いちこ」理想の最期

ーーいつの日か誰しも訪れる引退の時。周りの方々に「どんな選手だったね」と思って欲しいですか?

いちこ選手 いつの間にか私も26歳。短距離選手としては、ベテラン枠に入りつつあります。

この歳になると、辞めてしまう人も多いです。学生時代の仲間で、辞めてしまった方もいます。

正直引退時の想像はまだ難しいです。ただ、いっぱい「お疲れ様でした!」「よく頑張ったね」と言ってもらいたい。

多くの方に愛された選手として、最後の時を迎えられたら。本心から「幸せだったな」と感じるのかな、と思います。

株式会社ユティック陸上競技部
ユティック チャンネル(YouTube)
壹岐いちこ 選手ブログ
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この記事を書いた人

ゆーでぃ
立命館大学卒業後、生命保険会社で総合職として名古屋支社で働いていました。

大学時代にスポーツ新聞部や長期インターンで培ったライティングスキルを活かし、東成瀬村や秋田県の魅力を皆様にお届けしていきます。

興味関心の幅が広いため、自分自身の好きなものを皆様に熱く共有できたらなと思っています。
よろしくお願いします!

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