【40%が東北圏外出身!?】秋田県立大学に県外から学生が集まる秘密 | 現役学生にインタビューしてみた

秋田犬やきりたんぽが有名な、秋田県にある秋田県立大学。

現在は「秋田キャンパス」「本荘キャンパス」「大潟キャンパス」の3つを運営しており、2023年に大潟キャンパスは50周年を迎えました。

今回は秋田県立大学の東北圏外出身である、「竹内 大」さん、「岡戸 珠海」さん、「橋本 梨香子」さんの3名にインタビューを行ないました。

秋田県立大学に求めるものがあった

ーーみなさんの自己紹介をお願いいたします。

竹内さん 竹内大(たけうち だい)と申します。

生物資源科学科のアグリビジネス学科の3年生です。
特にサークルには入っていませんが、今は政策系マネジメントという農業関係の政策立案や、地域活性化を勉強するゼミにいます。

学業とは別で「コメラムネ」という事業を、個人でおこなっています。将来、会社経営を目指す上で「足がかりを作れればいいな」という想いで始めました。


岡戸さん 岡戸珠海(おかど たまみ)といいます。

生物資源科学部、生物環境科学科の2年生です。
今後はまだ未定ですが、3年生では興味のある森林関係や地域計画の研究室を選ぼうと思っています。今はラボ・カフェ*で話を聞いているところですが、どれも面白そうで正直悩んでいるところです(笑)。

サークルは「GBビジネスサークル*」をはじめ何個か掛け持ちしており、地域や集落でのボランティアもしています。

ラボ・カフェ:研究室配属前の1・2年生を対象に、研究室の紹介を行う交流会
GBビジネスサークル:秋田県内の地域に住むGB(じっちゃん・ばっちゃん)が行う、地域資源を生かしたコミュニティビジネスの支援を行う団体。農作業の手伝いや、ボランティアを行っている。


橋本さん 生物資源科学部、生物環境科学科3年生の橋本梨香子(はしもと りかこ)です。

生体工学研究室で微生物や植物などの、生物の力を応用した水処理について学んでいます。
私は和楽器サークルと、自らの体験を通じて立ち上げた英語サークルの、2つに入っています。

ーー秋田県立大学を知ったきっかけ、背景を教えてください

竹内さん 旅行で東北や秋田を訪れ、好きになったことがきっかけです。

旅行がかなり好きで、東北地方には何度か足を運んでいました。秋田や青森、山形あたりは結構気に入っていたので「常に旅先に住めるなんて凄くない?」と思い、移住を検討しはじめました。

産まれてから高校まで大阪に住んでいたので「雪国と東北に住んでみたい」「田舎ぐらいを体験したい」という想いもありました。そこで、行くなら一番過疎化が進んでいる地域の県立大学だなと思い、受験を決めました。

岡戸さん 学びたい系統を絞ったら偏差値が分かる「スタディサプリ」というアプリで、秋田県立大学を知りました。

環境や農学系統を学びたかったので、第一志望が地元の宇都宮大学で、第二志望が秋田県立大学でした。

秋田県立大学に来た理由は、学校のHPが充実していたからです。地方の大学なので足を運び辛かったのですが、HPが分かりやすくて雰囲気がよかったところが決め手でした。

橋本さん 環境問題をより広く色々な視点から学べる大学に行きたいと思い、岡戸さんと同じスタディサプリというアプリで調べ、秋田県立大学を知りました。

私立高校に通っていたことから、これ以上親に迷惑をかけたくないため、国公立を志望していました。環境問題をより色々な視点から学べる大学に行きたいと思い、秋田県立大学の資料を取り寄せてみたところ、学ぶ分野がグラフで分かりやすく表されており環境問題の幅広さを知りました。

そこから「全般的に学べた方が自分に合うんじゃないか」と思い、秋田県立大学を第一志望で選びました。

秋田県暮らしは「想像より不便なく心地よい」

ーー秋田県の住み心地はいかがですか?

竹内さん 「想像より不便なく生活できるな」と思いました。

僕はずっと都会育ちだったので、秋田は普段の生活さえ不便だと思っていました。でも、実は勘違いだったことに気づきました。現在は快適に生活できています。

スーパーとコンビニがあれば買い物はできますし、今はネットでなんでも揃いますよね。

岡戸さん 私は地元茨城より、秋田のほうが良い印象です。人のあたたかさと豊かな自然があるので、とても居心地良いです。

サークルの関係で、おじいちゃんやおばあちゃん達と会う機会が多いですが、皆さんとても優しいです。
自然も好きなので、常に周りにある環境が凄く落ち着くところも好きです。

橋本さん 私も「秋田は想像より楽しいな」と思っています。

名古屋にいる時には、どこか遊びに行くとなるとカフェに行って、その後はショッピングするのが定番の流れでした。今は秋田にしかないお店や、自然あふれる公園に行くことが好きです。

また、以前住んでいた大潟村には生態系公園というのがあって、友達と自転車で行って温室を見ていました。秋田に来て遊び方が変わったという部分も含めて、都会よりも自由な時間があるなと感じています。

自然が好きな人は住みやすいですが、一方で自然が嫌いな人だったり、都会のような利便性やエンタメを求める人は住めないなとも感じます。

ーー地方移住に不安はありましたか?

竹内さん 地方移住するうえで不安を真っ先に感じたのは雪でした。

そこで、雪かきや食事の心配がない学生寮を選びました。

あとは「買い物できないんじゃないか」という、都会の人が良く思う田舎の偏見がありました。

岡戸さん 私はあまり深く考えてなかったので、地方移住に不安はありませんでした。

ただ、新しい生活が始まるので、生活面が分からないところが不安でした。

大潟村の地図を見たときに何もなくて、どこでものを買うのか、どこで遊ぶんだろうかと疑問でした。でも、ショッピングがあまり好きではなかったので「まぁ生きていけるだろう」と、楽観的な部分もありました。

橋本さん 私も岡戸さんに近くて「行ってみるだけ行ってみるか、行けるやろ」みたいな感じで、生活面に関してはあまり心配ありませんでした。

来てみてから「どうしたらいいんだろう」と悩んだタイプです。

一番不安に感じたのは「人との繋がり」ですね。

東北には誰も知り合いがおらず、愛知県から行くのも私一人だと思っていました。なので「友達できるのかな」とか「人とのつながり大丈夫かな」「先輩って怖いのかな、優しいのかな」と不安でいっぱいでした。

ーー不安は解決しましたか?

竹内さん 今は不安はありません。

実は、寮を出て車で住みはじめました。

旅行気分を味わいたいと思って、ボロボロのキャンピングカーを買ってそこに住むようにしてます。
冬もそこで暖房をつけたら大丈夫です。

買い物も、車があれば不便ないですね。

橋本さん 自分からサークルに参加したり、バイトをしたり積極的に色んな事に参加するようにしました。

寮でのバイト説明会に参加したところ、凄くいい先輩方に出会えました。さらに、その勢いで和楽器サークルにも参加したら、たくさんの良い方たちに出会えました。

秋田県立大学は「サポートが手厚く、いつでも助けてくれる」

ーー秋田県立大学の良いところは?

竹内さん 「何かやりたいって動いたときに凄く応援してくれるところ」がとても好きです。

他にはあまりない、偏差値で語れない良さなのかなと思っています。

岡戸さん 一番は「サポートが本当に厚くて、困ったことがあれば気さくに手助けしてくれるところ」ですね。

周りが助けてくれる学校なので「環境の学問についてなんでもいいからやってみたい」のようなぼんやりとした夢だったとしても、次第に明確な夢が見つかりますよ。

橋本さん 「人と人との距離が近いこと」がこの大学の良い所だと思っています。

先生や事務員の方との距離が近いので、相談しやすかったり、やりたいことができることに繋がっています。

夢は未確定も、目指す場所はある

ーー将来はどんな道に進みたいですか?

竹内さん 現時点では自営業をやっていきたいと思います。

秋田が凄く気に入ったので、秋田か東北地方の田舎で活動したいなと思っています。

岡戸さん 私はアフリカや南米などの発展途上国を見て回りたいです。

将来的には、環境に配慮した農業の推進や、住んでいる方が自分たちで食物を作って食べられる村づくりがしたいです。
近いうちに発展途上国のいずれかを訪れて、現地でやる必要があると感じれば村づくりをしたいと思います。

もっと違うことが私には出来るかもしれないと感じたら、人口減少が一番進んでいる秋田に帰ってきて、地域活性化をしたいなと思っています。

橋本さん 研究員になりたいです。

2年生までは大学を卒業したら、建設コンサルタントとして海外へ行って、その土地に合った処理技術を委託できれば良いなと思っていました。

そこでインターンに参加したところ、会社の利益のために戦略を立てなければいけないという現実を見て、それはちょっと違うんじゃないかと感じました。なので、現在は博士課程まで行って、研究員として世の中の役に立ちたいと考えています。

日本は水に関しての技術が強く、今も微生物を使って鉱山の排水処理の技術をやっています。海外でも、自分がきっかけとなってできないかなと考えています。

偏差値だけでは測れない、真の学びがここにある

ーー最後に、受験生や親御さんに向けて応援の言葉をお願いします。

竹内さん 偏差値ばかり気にするのは違うなと思っています。

偏差値だけでなく、大学で何ができるのか想像しながら学校選びをしてほしいですね。

秋田県立大学は、都会の有名大学と比べれば知名度が低く歴史も浅い学校です。

ただ、その分ほかの大学にはないことができるので、どんな活動ができるかHPで見ていただきたいなと思います。

岡戸さん 受験をするにしてもどこの大学に行くにしても、そこで自分が何をするかが大事だと思います。

仮に進学先が自分の望んでいないところだとしても、全然後悔しなくていいです。決まった大学で、自分ができることに集中すれば良いと思います。

橋本さん 岡戸さんに付随する形なのですが、大事だなと思うことがあります。

それは、置かれた場所で花を咲かせること。

これは中学校の先生から言われた言葉です。どこに行こうがどんな状況におかれようが、置かれた場所はもう変える事が出来ません。そこで自分がどう頑張るか、いかに自分がやりたいことをやるかが大事だと思っています。

また、高校生はまだ社会のことが何も分からなくて、将来を考えることは難しいと思います。

自分が将来どうやって社会に関わっていきたいのか、どういう事に興味があって、自分が何をやっていきたいか事前に考えることが大事だと思います。

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